心まで「食」が影響を与えていた

近年、日本の子どもたちに蔓延している非行、暴力、いじめ、不登校などの「行動・精神面での不健康」についても、食生活との関連を考えてみる必要があります。なぜなら、精神を支える脳神経細胞も、体と同じく食べる物から栄養を摂り機能しているからです。後に触れますが、行動や心に問題が生まれる子どもたち、犯罪を犯すにいたる少年たちの食生活は、ほとんど例外なく清涼飲料水やファーストフード、肉、白砂糖など、ビタミンやミネラル等の微量栄養素が不足した食物が中心となっています。微量栄養素のうちには、その不足が感情や気質を左右するものがあることが、実験によって確かめられているのです。さらに、わたしたち日本人にとってもっと根源的な部分が、少なからず影響していると考えられるのです。つまり、本来歯の形からみても穀菜食をすべき農耕民族である日本人が、もともと牧畜民族である欧米人の肉、牛乳、バター、マヨネーズ、クリーム……などの欧米食を、何の抵抗もなく受け入れ、何の疑問もなく高栄養食品として崇拝するように食べつづけていることです。このように「食い違とは、体のみならず、心や脳神経細胞の機能にまで重大な影響を与えるのですが、この「食い違い」に注目する時、とりわけ重要なのが、やはり低体温=「冷え」の問題なのです。後にまとめて示すように、今の子どもたちは、東洋医学でいう陰性の食物を食べ過ぎているため、心身ともに冷えきっているのです。

体力の低下

その適正な体格においてのみ、筋肉の力や運動神経を発揮することができ、敏しょう性や持久力も最大に発現できるはずなのです。その力は、適正な容器(肉体)に収まった時に、最高に働くのに、同じ力の量が、必要以上に大きな容器(肉体)の中に入った場合、それを動かす時に、敏しょう性や持久力、瞬発力が落ちるのは当然でしょう。つまり、現在の子どもたちは、本来の日本人としての適正な体格から逸脱してしまっているがために、かえって運動能力が落ちてしまっていると考えられるのです。陰陽論では、伸びる状態、拡がる状態を陰の状態といいます。つまり、力を内奥に保持できない状態のことです。逆に、陽は、引きしまり、収縮した状態です。この点からすると、今の子どもたちは、ヒョロヒョロと上に伸び(長身化)、または、ブョブョと膨れている(肥満化)ので、まさに陰性の状態といえます。つまり、体の中に力が保持できていないわけです。今の子どもたちの長身・肥満化は、その陰性の状態からくる体のアンバランス=冷えの一現象であり、それにともなって生まれる障害の原因は、食を中心に生活習慣全般にわたる、体を冷やす諸要因にあると考えられるのです。